<2025年7月更新>
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ギフテッド2Eの子どもには、優れた能力と発達障害の両方の特性が見られ、家庭での育て方に悩むケースも少なくありません。
特に幼児期(幼稚園・保育園時代)には、その特徴が強く現れやすく、日常生活や集団生活の中で「育てにくさ」を感じる保護者も少なくありません。
この記事では、わが家の実体験をもとに、特徴やリアルな姿をまとめました。
本記事を読んでいただくと、
- ギフテッド、2Eの子供の特徴
- ギフテッド2E児のリアルな姿
- 2E特有の生きづらさ
について知って頂くことができます。
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1.ギフテッド2Eってどんな子?
1-1. 2Eはギフテッド+発達障害
「2E」とは「twice-exceptional(2重に例外)」という意味です。
ギフテッドと発達障害、それぞれの特性を両方持つ人を「2E(ギフテッド2E)」と呼びます。
発達障害の特性を持つ人の中で、ギフテッドの性質を併せ持つ人は一部に限られます。
また、ギフテッドの中にも、発達障害の特性を持つ人と持たない人の両方が存在します。

ギフテッドの定義
「ギフテッド(gifted)」とは、高い知能と特定分野での優れた才能を持つ人を指します。
世界的に統一された定義はありませんが、以下のような特徴が一般的な基準とされています。
- WISCなどの検査でIQ130以上である
- 生まれつき特定の能力が非常に突出している
勉強とギフテッド
ギフテッドだからといって、必ずしも学校の成績が良いとは限りません。
興味・関心のある分野では非常に高い成果を出す一方、興味のない教科では成績が伸びにくいこともあります。

ギフテッドの子の割合と教育現場での難しさ
人口のうちIQ130以上の人は約2%とされます。
アメリカでは、IQだけでなく多面的な観点から子どもを評価し、全体の約6%の子どもがギフテッド教育を受けています。
一方、日本ではギフテッドへの理解や支援がまだ十分に進んでいません。
学校教育の現場では支援体制が整っておらず、ギフテッドの特性を持つ子どもたちは適切なサポートを受けられないのが現状です。
1-2. 2E児に見られる生きづらさの中身
得意・不得意の凸凹が大きく、誤解されやすい
2Eギフテッドは、ある分野では突出した才能を持つ一方で、発達障害によって苦手なことはとことん苦手というように、得意と苦手の差が非常に大きい傾向があります。
そのギャップから、「努力不足」や「ふざけている」と誤解されて叱られることもあり、「こんな簡単なこともできないのか」と言われて自尊心が傷ついてしまうケースも少なくありません。
苦手・得意の両面にサポートが必要
2Eの子どもには、得意な面と苦手な面の両方に対するサポートが必要です。
発達障害による苦手な部分については特別支援教育である程度支援が進んできましたが、日本ではギフテッドへの支援はほとんど行われていないのが現状です。
そのため、2Eの子どもは苦手な面ばかり注目され、才能に気づかれないまま過ごしてしまうことも多くあります。
得意な部分を認め、伸ばしていくことは、自己肯定感や学習意欲を高め、将来のキャリア形成にもつながる大切な視点です。
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2. わが家のリアルな2E体験
さて、お読みいただいている方の中には、

わが子が2Eなのでは?
という疑問を持って、この記事にたどり着かれた方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、実際に2Eである息子の幼少期から現在までの姿をご紹介します。
もちろん、2Eの子がみんな同じ特性を持つわけではありません。
ですが、具体的なイメージを持っていただけるよう、わが家の体験をあえて詳しく書いてみました。
少しでもお子さんの特性を理解するヒントになれば嬉しいです。
2-1. 幼児期(幼稚園時代)の特徴とわが家のエピソード
【幼少期①】とにかく手がかかる!育てにくさMAXだった日々
息子は、自閉症スペクトラムの特性でもあるこだわりが強いタイプでした。
自分の思い通りに物事が進まないと癇癪を起こしたり、反抗的になったりすることも多く、感情の起伏も非常に激しかったです。ギフテッド特有の OE(過度激動) もあったのだと思います。
療育の先生からは、「指示を通すのが針の穴に糸を通すより難しい」と言われていました。
- 指示が通らない
- 場面の切り替えが難しい
- こだわりが強い
- 人とのコミュニケーションが難しい
まさに、俗にいう「育てにくい子」でした。
初診の段階で主治医から「検査はこれからですが、発達障害があります。アスペルガータイプかな?」と伝えられたことも印象に残っています。
また、自分が納得しないと大人の言うことを聞かないため、納得させるまでに時間と根気が必要でした。
1つひとつの行動に時間がかかり、毎日が忍耐と試行錯誤の連続でした。
【幼少期②】まさか高IQだとは思わなかった親たち
3歳で受けた新版K式発達検査ではDQ90という結果で、当時は息子が高い知能を持っているとはまったく思っていませんでした。
質問しても答えないことが多く、「言葉が理解できないのでは?」と考えていましたが、実際には**「聞いていない」または「理解していても答えたくない」**状態だったようです。
主治医からは「この子はわかっていないように見えて、言葉をよく理解しています」、療育の先生からは「とても頭の良い子ですよ」と言われましたが、私たち親はその意味を当時は理解していませんでした。
2-2. 現在の様子
【現在①】WISCの数値が安定
小学校高学年で受けたWISC-IVの4指標は以下のとおりでした。
- 言語理解:150台後半
- 知覚推理:120台
- ワーキングメモリー:120台
- 処理速度:110台前半
4指標の高低差が非常に大きい結果でした。
その後も6~7年にわたって大きな変動はなく、数値はこのあたりで落ち着いています。
全IQは136〜140の範囲です。
【現在②】育てにくさが和らぐ
幼少期は育てにくさが目立っていた息子ですが、小学校高学年以降は注意すればきちんと話を聞けるようになり、外出先で困ることも減りました。
成長とともに、折り合いをつけられる場面が増えてきたのだと思います。
【現在③】集団行動は苦手・人間関係には課題も
集団行動には問題なく参加しますが、今でも好きではなく、学校行事は気が重いそうです。
話す相手はいるものの、親友と呼べる関係はありません。
中学生以降は、元気でやんちゃなタイプの子を「精神年齢が合わない」「幼稚だ」と嫌うようになりました。
また、「自分のことを話しすぎてしまう」「相手の立場に立つのが苦手」など、コミュニケーション面の課題もあります。
【現在④】自分の特性を意識し始めた
苦手なことに直面して「どうしてこんな簡単なことができないんだ」と落ち込むこともありますが、少しずつ自分の特性を客観的にとらえ始めています。
最近では「苦手なことは最低限さっと終わらせよう」と割り切る姿勢も見られるようになりました。
今後は、人に助けを求める力を少しずつ身につけていってほしいと感じています。
【現在⑤】勉強にも凸凹がある
勉強(英・数・国・理・社)は基本的に得意で、特に英語と理科は突出しています。
一方で、美術や技術・家庭科といった実技教科は苦手意識が強く、やる気もあまりありません。
2Eの子どもは、得意と苦手の差が大きく、周囲から誤解されやすい一方で、適切な理解とサポートによって才能を大きく伸ばせる可能性を秘めています。
家庭や学校での関わり方を工夫することで、お子さんの得意を伸ばし、苦手への対処力も育てていくことができます。
2Eの子どもの家庭での接し方や親の工夫については、こちらの記事で詳しくまとめています。

いかがでしたか?
これからも、発達特性を持つ子どもの育ちや教育に役立つ情報を発信していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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