<2024年2月更新>
発達障害についての情報をネットなどで読んでいると、こんな言葉をよく目にします。
「自己肯定感を上げるために、成功体験を積みましょう!」
苦手なことはとことん苦手な凸凹ちゃん達。
自己肯定感のアップが大切なことは解るけど、成功体験って具体的に何をすればよいの?
今回の記事は、このような疑問にお答えします。
この記事を読んでいただけると、
について知ることができます。
この記事を書いている私さとは、ASDとADHDの特性を持つ男子学生の母で、ライターです。
幼い凸凹ちゃんたちの保護者の方向けに、お役に立つ情報発信をしています。
私について詳しくはこちらをご覧ください。
そもそも成功体験による自己肯定感アップがなぜ必要か?
●自己肯定感とは?
「自己肯定感」とは、
ありのままの自分を受け入れ、短所も含めて自分には価値があると認める感覚
のことです。
自己肯定感は、ストレスや困難に対してうまく対処したり、感情をコントロールする上で大切なので、近年の子育てで重視されていますね。
●自己肯定感が高い子供の特徴
自己肯定感が高い子供の特徴として、
- 自分に自信がある
- 失敗をしても受け止めることができる
- 他人を尊重することができる
などがあげられます。
自己肯定感が生き抜いていく上で、とても大切なものであることがわかります。
●発達特性がある子供の自己肯定感は?
凸凹ちゃんたちは、幼少期から叱られることが多かったり、どうしても克服できない(先天的に)苦手なことがあったりして、自己肯定感が低くなりやすい傾向にあります。
自己肯定感が下がると、自分の弱点や決定にばかり着目したり、物事を否定的にとらえやすくなると言われています。
このことが発達特性のある子供には、感情コントロールを難しくさせたり、問題行動を引き起こす、2次障害を生じやすくするなど、大きな影響を与えます。
凸凹ちゃんこそ、できるだけ自己肯定感をキープしておきたいところです。
成功体験を積んで自己肯定感をアップする具体的方法
自己肯定感を上げるために家庭で出来ること
発達特性のある子どもの自己肯定感を上げるために、
など、家庭で出来ることは結構あります。
それでは、上にあげたようなことを実行するために、具体的にどんなことをすればよいのでしょうか?
療育などをうけていれば、その中で、やってもらえるかもしれません。
ただ、療育だけでは限られた時間になってしましますし、療育を受けられない凸凹ちゃんもいます。
そこで、難しいこと、面倒なことが苦手なずぼらな私でも出来た(笑)、自己肯定感アップの方法ご紹介します。
方法1 お手伝い・お願い事
とにかく一番手軽で手っ取り早くできます!
目的は、
あなたがお子さんに笑顔で「ありがとう。」「助かったよ。」と言うこと。
お子さんは、そんなあなたの笑顔を見て「僕は役に立っている。」「私は褒められる存在なんだ。」と、自信を持ちます。
ここでのポイントは、
- お子さんが簡単にできそうなことをお願いする
- 上手にできていなくても、とにかく笑顔で「ありがとう!」と言ってあげる
という2点です!
「全然できていない。」
「かえって手間が増えた」
なんて言って、怒ったりしないでください。
お気持ちはお察ししますが…
あくまで目的は、笑顔で「ありがとう」と言ってあげることなので、お手伝いまでいかないような、簡単なお願い事でも構いません。
例)何かを取ってきてもらう、ポストに手紙を出してもらう
<我が家の場合>
息子は、「偉いね」とか「いい子」というような、大人が評価する言葉にカチンとくる時期があしました。
そこで評価よりも「とても助かった」「うれしい」という気持ちを伝えるようにしていました。
方法2 習い事
習い事でどんな成功体験が積めるのか
習い事によって、
このような体験ができれば、よい成功体験になりますね。
<我が家の場合>
水泳、塾、運動教室、プログラミングなどなど、いろいろな習い事をしてきた息子の場合、一番成功体験を積めたのは、ピアノだったようです。
どういう成功体験が積めたのかというと、
- 難しい曲でも練習をすれば、上達するという経験ができた
- 発表会で、人前で演奏できる自信がついた
- 音楽を聴いて音が取れる、楽譜が読める、など自分の得意なことを発見できた
ということになるかと思います。
発達特性を持つ子の習い事について詳しくはこちらの記事をどうぞ↓
習い事で成功体験を積むためのポイント
①子供自身がの好きなこと
得意なことではなくても、本人が好きで楽しめることの方が続けられ、夢中になれますね。
人と比較する必要もありません。自分なりの達成感があれば、人と比べて上手ではなくても、成功体験を積むことはできます。
保護者の方が他の事比べないことはもちろんですが、お子さん自身が人と比べてしまう特性の持ち主なら、マイナースポーツやあまりみんながやっていない習い事がおすすめです。
②褒めて伸ばしてくれる優しい先生
凸凹のある子の習い事には、練習をしない、何度言っても同じ間違いを繰り返す、集中力が続かないといったことがよくあります。
そういった場合にも叱らない、できているところをほめてくれる先生が見つかるとうまくいく可能性が上がります。
最近の習い事の先生は優しい方が多いので、見つかりやすいとは思います。
先生には事前にお子さんの特性を伝えておくと、特性に応じてその子なりの成長を認めてくれやすくなります。
凸凹ちゃんの習い事がうまくいくポイントについては、こちらにまとめてあります↓
③続けることが苦痛にならない環境
続けること・通うことが苦痛にならない環境も習い事には意外と大事です。
凸凹ちゃんは感覚過敏のある子が多いので、教室に苦手なものがあったり(例/換気扇などの音、臭い)、逆に好きで興味を引きすぎるものがないか(そちらに気を取られていしまいます)、「楽しめる・集中できる環境を」チェックしてみてください。
行き帰りの時間や交通機関も負担が少なく、楽しめる範囲で無理をしないことが、大切です。
方法3 検定
子供が受験できる検定
勉強が得意な子や、何か得意な科目がある子にはおすすめなのが、○○検定。
自分の好きなこと、得意なことに合った検定があれば、目標に向けて努力し、達成する過程を経験できるので、成功体験を積むことができます。
・英検
・漢検
・数検
といった、比較的よく知られているものから、
・プログラミング検定
・理科検定
など、いろいろなものがあります。
おすすめの理由 ~基準が明確・自信を持ちやすい~
凸凹ちゃんたちは、曖昧より具体的でわかりやすい事柄を好みます。
「△△点以上で合格」という基準が明確で、自分の実力が「○○級」と数字ではっきり分かる検定は、わかりやすく、自信を持ちやすいようです。
注意点 ~実力より低めの級でスタート~
ここで気を付けてもらいたいのは、なるべくスモールステップを心掛けること。
実力より、少し低めの級からスタートするのがポイントで、特に最初は合格できるような級を受験させてあげて下さい。
合格の嬉しさを経験できれば、次も頑張るというやる気が生まれ、モチベーション維持につながるのではないでしょうか。
席や条件の要望が可能な検定もある
検定によっては、
「何かあれば退出できるように、席をドアの近くにしてほしい」
「ほかの人の動きが気にならないよう、席を前にしてほしい」
「保護者も隣で一緒に受験させてほしい」といった要望を聞いてくれます。
ぜひ、検定本部に問い合わせをしてみてください。
<我が家の場合>
息子も、受験を始めた小学校低学年頃は、席の場所について配慮していただき、私も隣で同じ級を受験しました(もちろん、私の分の受験申し込みをすることが前提になります)。
いかがでしたか?
「自己肯定感を上げる」と聞くと、なんだか特別なことをしなければならないように思えますが、日常生活の中にも自己肯定感アップの材料はたくさんあると思います。
この記事の中に、保護者の方のお役に立つ情報が少しでもあれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。