発達障害・グレーゾーンの子は疲れやすい!6つの理由と対策

特性を理解する

<2024年5月更新>

 

発達障害・グレーゾーンの子は「疲れやすい」とよく言われます。

 

この記事を書いているのは、5月。

 

5月病かな?子供がなんだか無気力で。

学校から帰ってくるととても疲れていて、何もできない。

疲れやすくて、すぐに調子が悪くなる。

こんな保護者の方のお悩みを耳にします。

 

今回の記事のテーマは「発達障害と疲れ」。

 

この記事をお読みいただくと

  • 発達障害・グレーゾーンの子が「疲れやすい理由」
  • 発達障害・グレーゾーンの子の「疲れやすさへの対策」

について知って頂くことができます。

 

 

発達障害・グレーゾーンの子が「疲れやすい理由」

 

発達障害・グレーゾーンの子が疲れやすいのは、「神経質」とか「わがまま」などではない、発達障害の特性による理由があります。

 

理由1 環境に適応するためにエネルギーを使う

 

慣れない環境が苦手

 

発達障害・グレーゾーンの子は、慣れない環境や見通しの立たない状況に対して不安感が強く、適応するためにエネルギーを使います。

 

「見通しの立たない状況で、不安を感じやすい」というのはASD(自閉症スペクトラム症)の特性の一つです。

ASDの人は「想像力の乏しさ」を特性として持つ人がおり、ASDの子供は経験したことのない状況や場所に置かれると、これから何が起こるのかがわからず不安になり、混乱してしまうことがあります。

発達障害を持たない人が想像する以上に、大きな負担なのだそうです。

 

周囲になじむよう無理をする 

 

人の気持ちを把握しにくかったり、空気を読むのが苦手、というような特性を持つ場合があります。 

このような場合、定型発達の人が何気なく・無意識にできるようなことでも、発達障害を持つ子は、論理的に言動を分析して、周囲の期待や社会常識に合わせた行動をとろうと、神経をとがらせて対応しています。

「普通っぽく見える」ために、とてもエネルギーを使い、無理をして適応しようとすることもあるのです。

 

  

理由2 感覚過敏 

 

感覚過敏がある子は、苦手な音や匂い、光、感触などにさらされると、非常にストレスがかかり、疲れやすくなったり、体調に異変が生じやすくなります。

 

感覚過敏は一般の人にはわかりにくいのですが、決して「わがまま」や「神経質」で済ませられる問題ではありません。

工事現場や飛行場など、非常に大きな音がしている場所で一日生活をするストレスを想像してみてください。感覚過敏の人の辛さが少し理解しやすくなるかもしれません。

 

 

理由3 過集中

 

興味のあることに没頭するのは、素晴らしい面もあるのですが、過集中にあたる場合は日常生活に支障が出るほど集中してしまう状態を言います。

ASDの特性の一つとして「こだわりが強い」というのがありますが、「こだわりが強い」特性の結果、過集中を引き起こすことがあります。

また、ADHDの中にも、興味のあることに対しては集中しすぎてしまい、切り替えるのが苦手なタイプの人がいます。

集中している間は疲れを感じにくいため、集中が切れたときに一気に疲労が襲ってきます。

過集中の場合、適切なタイミングで休憩をとることが難しく、「体調を崩すまで疲れていることに気づかなかった」ということに繋がりやすいので、注意が必要です。

 

理由4 体を効率よく使えない

 

発達障害・グレーゾーンの子の中には、運動や動作にぎこちなさが生じたり、姿勢に乱れが生じ、日常生活に支障が出てしまう、発達性運動協調障害(DCD)を持つ子が一定数います。

発達性運動協調障害を持つ子は、極端に不器用で、力加減を調整することに苦手さがあるため、日常的に行われる動作でも苦労し、疲労感を覚えやすい傾向にあります。

 

理由5 睡眠がうまく取れない

 

発達障害・グレーゾーンの子は、緊張状態が続く、エネルギー消費が激しいなどの傾向があると同時に、体や脳・心を癒すための休息をとることにも苦手さが見られます。

 

ADHDの子は、73.3%が睡眠に関する何らかの問題を抱えているというデータもあるそうです。

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理由6 疲れていることを認識しにくい

 

発達障害・グレーゾーンの子の中には、特定の感覚が鈍磨であったり、外界や体内から受け取った刺激や情報をまとめ上げるのが難しいといった特性を持つ子もいます。

 

このような特性があると、疲労感、空腹感、満腹感、痛みなどの身体的な感覚に鈍麻があったり、あるいは自覚するまでに時間がかかったりすることがあります。

 

そのため、自分が疲れていることに気づかず、休まないで対象を崩すまで続けてしまう、ということがあるので注意が必要です。

 

 

発達障害・グレーゾーンの子の「疲れやすさへの対策」

 

対策1 無理をしすぎないよう環境を整える

 

周囲に無理をして合わせてしまい、ストレスをためやすいタイプの子であれば、学校と相談して、本人が無理をしすぎないような環境を整えることが考えられます。

 

例えば… 

  • 休憩時間は静かに一人のんびりと過ごせる場所を用意してもらう
  • 隣の席に相性の悪い生徒が来ないように配慮してもらう
  • 一人が楽な時は、一人でいても全く問題ないという価値観を教える

などの対策があります。

  

 

対策2 苦手な刺激を和らげる

 

聴覚過敏のあるお子さんなら、苦手な音に触れなくてすむように配慮してもらうことが有効です。

 

例えば… 

  • ノイズキャンセリング機能の付いたヘッドホンをする
  • 席を苦手な音(エアコン、換気扇、廊下の騒音)が聞こえにくい場所にする
  • 苦手な刺激のない服装で登校する
  • 休み時間は静かな場所でゆっくり過ごす

などの対策が考えられます。

 

対策3 過集中には定期的な休息とタイマー 

 

生活に支障が出るほどの過集中状態が見られる場合には、本人に疲れの自覚があるかどうかにかかわらず、定期的に休息をとる必要があります。

過集中になっている状況では声をかけてもなかなか休むことができないので、あらかじめ本人と話して、自分でタイマーをセットすると比較的中断しやすくなります。

 

 

対策4 苦手な動作をサポートしたり避ける工夫をする

  

発達性運動協調障害が原因で、苦手な動作がある場合には、そのような動作を減らしたりサポートすることで、ストレスや疲労を軽減することを考えてみましょう。

 

例えば…

  • 靴ひもを結ぶことが苦手であれば、靴ひものない靴を履くようにする
  • コンパスで円を描くのが苦手であれば、不器用な子でも使いやすいコンパスにする

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対策5 睡眠環境を整える

 

睡眠がうまく取れない場合は、

  • 就寝時間
  • 寝室の光・音・温度・湿度
  • 入浴の時間帯
  • スマホやゲームに触れる時間帯

などを、検討して睡眠環境を整えることが考えられます。

 

これらの工夫をしても睡眠の調整が難しい場合は、病院に相談をして服薬などを検討するという方法もあります。

 

 

対策6 疲れているときの状態を意識させる

 

お子さんが自分で疲れを意識しにくい場合には、疲れの症状が出た時に周囲の大人が知らせ、意識させることが有効です。

 

疲労したときの個々の症状があるとき、

<疲れの症状>
  • 頭痛
  • ふらつく
  • ボーッとする
  • ミスが多くなる

このような個々の疲れの症状があるときに、

 

「それは疲れているサインだから、静かな場所でゆっくり休もう。」

「今日は疲れが出ているから、早く寝よう。」

 

と、原因が疲れであることを指摘して、すべきことをセットで教えてあげてください。

 

 

  

いかがでしたか?

この記事が少しでもお役に立つことがあると嬉しいです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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