〈2025年7月更新〉※本記事には広告・PRを含む場合があります。
発達障害(ADHD・自閉症スペクトラム)、グレーゾーンの子にどんな習い事をさせたらいいのか、お悩みではありませんか?

発達障害の子に向いている習い事ってあるの?

特性に合う教室って、どうやって見つけるの?
そんな思いをお持ちの方に向けて、この記事では、実際に発達障害のある子どもに習わせた5つの習い事(英語・ピアノ・プログラミング・塾・水泳)について、
- 習わせてよかったと感じたこと
- 続けるうえで苦労した点
- 楽しく続けるためのちょっとしたコツ
など、リアルな体験談をもとに紹介します。
※記事が長くなるため、
前編となる今回は「英語」と「水泳」に絞ってご紹介し、
後編では「ピアノ」「プログラミング」「塾」について詳しく解説します。
自閉症スペクトラムとADHDの特性を持つ男子高校生の母で、兼業ライターをしています。
現在、息子は私立の中高一貫校に元気に通っています。
幼い頃から、ピアノ・音楽教室・ドラム・プログラミング・英会話・スイミング・運動教室・塾など、さまざまな習い事に挑戦してきました。
習い事を通じて、息子の強みを見つけることができた一方で、
「どんな習い事がこの子に合っているのか」
「楽しく続けられる教室はどこにあるのか」
情報が少なく、たくさん悩み、試行錯誤をしてきました。
そんな私の経験が、同じように悩む保護者の方のヒントになれば――
そんな思いで、この記事を書いています。
1. 発達障害の子の習い事選び|何を習うかを決めるポイント
「この子の強みを伸ばして、可能性を広げたい」
こんな思いで習い事を検討する方も多いと思います。
ただ、気になるのが…
「何が向いているのかわからない」
「この子に習い事が合っているのか不安」
発達特性によって苦手がはっきりしていて、やりたくないことも多い…
発達障害を持つ子の習い事選びは難しいですよね。
そんなときに意識したいのが、
特性より「やりたい」を優先すること。
1-1. 本人の「やりたい」を最優先に
発達障害のある子は、興味が限られていたり、やりたくないことへの拒否反応が強かったりします。
そのため、「やってみたい」という前向きな気持ちがある習い事こそ、長く続けやすく、伸びやすいです。
音楽や英語などではよく「〇〇歳までしかこの能力は育ちません」といった情報を目にします。
そもそも、それが科学的に正しいのか疑問ですが、発達特性のある子は、「とりあえずやってみようか」となりにくいことが多いため、無理に始めると親子で疲れ切ってしまう…。ということになりかねません。
まずは体験してみて、本人の反応を見ましょう。
当初は関心が持てない場合も、体験レッスンを通して「やってみたい」に変わることもあります。
ただし、明らかに嫌がるようであれば、すぐに撤退する勇気も必要です。
1-2. 特性に合わない習い事をやりたがったら?
「向いてないかも…」と感じる習い事でも、本人が強く望むなら、挑戦させてみるのも一つの方法です。
教室や指導者との相性で、ある程度カバーできることもあります。
🏠 例えば我が家では…
息子は小学1年生の時に、自ら希望してピアノを始めました。
手先が不器用なので弾くのは上手ではありませんが、本人は楽しんで6年間続け、中学受験で忙しい時期も「息抜きになる」と言ってレッスンに通いました。
実は彼、譜面を読むのが早く、聴いた音を譜面に書き起こすのは得意。なぜか絶対音感もあります(長年ピアノをやっていた私にはありません…)。
一方、幼児期に親の判断で通わせた音楽教室は、早期にやめました。
「やりたくないこと」が多く、息子は全然楽しそうではなかったし、私も疲れてしまって、あまり得るものが無かったように感じます。
この経験から、「向き・不向き」よりも「本人のやりたい気持ち」が最も大切だと実感しています。
たくさんの習い事を経験した息子ですが、
結局、長い目で見てうまくいったのは、本人の「やりたい」が強い場合
だったと思います。
小学校1年生は、一般的にピアノを始める年齢としては遅いのかもしれませんが、息子にとっては始めるのに最も良い時期だったと思っています。
本人の「やりたい」という気持ちが強い場合、環境さえ整えば、あまり向いていなくても、楽しんで続けていける!
というのが、息子の習い事を通して、私が実感したことです。
2. 発達障害の子に合う教室の選び方|失敗しないためのポイント
発達障害のある子にとって、「何を習うか」と同じくらい大切なのが「どこで習うか」です。
たとえば、
- 特性への理解があること
- 比較やプレッシャーが少ない環境
- 本人や家族の負担が少なく続けやすいこと
こういった点をふまえて、教室を選ぶことが大切です。
では、どんな基準で選べばいいのでしょうか。
2-1. 教室選びでは「保護者の目的」を明確に
「何を習うか」は子どもの「やりたい」を重視しますが、
「どんな教室で習うか」については、保護者の目的が軸になります。
たとえば英語教室なら:
・コミュニケーション力を育てたい
→ グループレッスン
・語彙力・英語力を伸ばしたい
→ 個人レッスンやオンラインで反復できる環境
・自己肯定感を高めたい
→ 数字で達成基準が分かりやすい英検などを受ける教室
あるいは、小さな変化を見逃さず、褒めてくれる先生のいる教室
同じ「英語」でも、何を目指すかによって、選ぶ教室は変わってきます。
2-2. 療育か?一般の教室か?も目的次第
放課後等デイサービスが「音楽療育」「サッカー療育」「プログラミング療育」などを実施する場合や、発達障害について専門知識や資格を有する講師が「発達障害のある子の◯◯教室」を行うこともあります。
たとえば音楽なら:
- 楽器のスキル習得が目的 → 一般の音楽教室
- 心身の発達や感覚統合が目的 → 音楽療育
どちらが正解というわけではなく、「何を期待するか」で選び方が変わります。
2-3. 目的が曖昧だった我が家の失敗例
以前、息子を音楽教室のグループレッスンに通わせたことがありました。
「音楽を楽しんでほしい」「社会性も育ってほしい」という2つの目的がありましたが、どちらを重視するかを決めないまま通わせた結果、どちらもうまくいきませんでした。
息子は子ども向けの曲が好きではなく、やりたい内容が少なかった上に、周囲の子の動きが気になって集中できず、次第に教室自体を嫌がるように。
もし「音楽を楽しむ」が主目的なら、個人レッスンで好きな楽器に取り組めばよかった。
「社会性を育てる」なら、音楽療育のように特性に配慮した教室が合っていたかもしれません。
私のように、目的をぼんやりと2つ持っていた結果、どちらも満たせない…ということにならないよう、教室選びでは「何を優先するのか」をあらかじめ整理しておくことが大切です。
「何を習うか」「どこで習うか」についてお伝えしてきましたが、
ここからは、個々の習い事についてご紹介します。
<前編>の本記事は「英語」と「水泳」について。
📌 「ピアノ」「プログラミング」「塾・家庭教師・オンライン教材」については
👉 こちらの<後編>をどうぞ!

3. 英語:発達障害の子におすすめの理由・注意点・教室紹介
発達障害の子にとって、英語学習は意外と向いていることがあります。この章では、英語を習うメリットや注意点、実際におすすめできる英会話教室をご紹介します。
3-1. 英語を習うメリット
自分らしく話せるから英語が好きになる
発達障害(自閉症スペクトラム)傾向のある人は、日本語話者同士の会話より、英語で外国人と話す方が楽に感じることがあります。
日本語の会話では「空気を読む」「共感する」などの力が求められがちですが、英会話では
・わからないことは聞く
・自分の考えをはっきり言う
といったスタイルが重視されるため、ASD傾向のある人が「自分らしく話せる」と感じやすいのです。
また、外国語で話しているという前提があるため、「変わった子」と思われにくいという安心感もあります。
実際、息子も「なんか外国の人と話す方が楽なんだよね」と話すことがあります。
🏠 我が家の場合…
息子の「英語大好き」に火がついたのは、外国人の若者とのパーティーに参加したことがきっかけでした。
当時の息子は英語を勉強し始めたばかりで、決して上手ではありませんでしたが、日本人と話すときよりも長時間、多くの人と会話ができて、とても生き生きとしていました。
「空気を読む」ことなく、聞きたいこと・話したいことをどんどんぶつけていく息子は、外国人にとても受けが良く、本人もそれがうれしかったようです。
ありのままの自分を受け入れられた成功体験が、英語を続ける大きな力になりました。
英語に向いている特性があることも
発達障害のある子の中には、英語に向いている特性を持つ子もいます。
たとえば以下のような特性があると、英語学習が得意になる可能性があります。
- 言語理解(WISC)の指標が高い
- 単語や語句を記憶するのが得意
- 言葉で説明するのが得意
- 規則性や論理性を好む
- 気に入ったことは反復するのが苦にならない
こうした特徴があるからといって、必ず英語が得意になるとは限りませんが、「英語が合っていた」と感じる子も多いです。
また、ASD傾向のある子の「ハマるとずっと続けられる」という特性も、英語学習を継続する力になることがあります。
3-2. 英語を習うときの注意点
幼児期のうちは、「英語を話す」ということに、なかなか興味を持ちにくいのが現実です。
そのため、教材やカリキュラムが子どもにとって楽しいものであることが、続けるための大きなポイントになります。
この後で紹介するレッスンでは、子どもの興味を引きつけるカリキュラムが満載です。
幼児英会話教室では、ゲームを取り入れたグループレッスンが多いのですが、
- 順番が待てない
- 言いたかったことをお友達に先に言われた
- みんなと同じことをしたくない
といった理由で、英会話以外のことでつまずく・気を取られるケースもあります。
お友達とのトラブルが心配な子には、1対1のオンラインの英会話教室がおすすめです。
オンラインなら、場所の変化が苦手な子や、送迎が大変な家庭でも安心して取り組めます。
まずはオンラインで始めて、慣れてきたらグループレッスンに…という段階的な進め方も良いですね。
3-3. おすすめ英会話教室
🌟講師の質が高い!英語が好きになるレッスン
英語教師の国家国際資格を持つ子供向けの英語レッスン【NovaKid】
世界30か国以上て展開するスクールで、講師は2年以上の指導経験やTESOLなどの資格要件をクリアした講師によるオールイングリッシュのレッスンです。
英語初心者の子供でも、無理なく話ができる丁寧なカリキュラムとオンライン教材に定評があります。
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4. 水泳:発達障害の子におすすめの理由・注意点・教室紹介
スイミングは、心身の発達をバランスよく促す全身運動であり、発達障害の有無に関わらず人気の習い事ですね。
発達障害、グレーゾーンの子にも嬉しい効果がたくさんあります。
ここでは、水泳を習うメリットや注意点、個別対応が可能な教室も含めて詳しく解説します。
4-1. 水泳を習うメリット
体幹・バランス感覚の強化に効果的
水泳は全身を水に預け、左右対称に身体を動かす必要があります。このため、自然と姿勢を安定させる筋肉が使われ、体幹やバランス感覚の発達を促します。
体幹に課題を持つ子にとって、是非チャレンジしてみたい習い事の一つです。
集団が苦手でも取り組みやすい
スイミングスクールでは、複数人で同じレッスンを受けますが、内容は一人ひとりの課題に合わせて進められることが多く、チームプレーほど高度なコミュニケーションは求められません。
サッカーやバスケットボールのような協調性が重視される習い事と比べて、個人のペースで取り組みやすいのが特徴です。
成功体験につながりやすい
「顔をつけられた」「浮けた」「25m泳げた」など、成果が目に見えてわかりやすく、達成感を得やすいです。自己肯定感を高めるきっかけにもなります。
4-2. 水泳を習うときの注意点
発達障害のある子にとって良い面が多いスイミングですが、我が家では習い始めてからつまずくこともありました。
ここでは、息子が3歳から小学4年生まで通った経験をもとに、注意したいポイントをご紹介します。
触覚過敏だと泳ぎ方の指導を嫌がる場合も
息子は体に触れられることが苦手で(感覚過敏の一種である触覚過敏)、コーチに身体を掴まれて泳ぎ方を教わることを嫌がることがありました。
バタ足・クロール・背泳ぎと進むにつれて、コースの変更に伴いコーチも交代するため、慣れないコーチに指導される場面では特に抵抗感が強く出ました。
我が家では、「無理に身体に触れないようにしてほしい」「徐々に慣れさせてほしい」といった要望をスイミングスクールに事前に伝えるようにしていました。
こうしておくことで、「指導を嫌がる反抗的な子」と誤解されることなく、「感覚過敏がある子」として適切に配慮してもらえるようになります。
指導者によって発達障害への理解に差がある
コースの進行に合わせてコーチが変わるため、コーチによって指導の進み具合に大きな差が出ることもありました。
あるコーチのもとではどんどん課題が進むのに、別のコーチでは何か月経ってもほとんど進まない、ということも。
スイミングスクールには、発達障害の子を担当した経験が豊富な指導者もいれば、そうでない方もいます。
そこで我が家では、「担当コーチだけ」ではなく「スクール全体」に息子の特性を共有してもらうようお願いしていました。
実際、息子が通っていたスクールでは、発達特性のある子の指導に慣れたベテランのコーチが、若い担当コーチにアドバイスをしてくれていたと聞きました。
このように、スクール全体で共有してもらうことで、コーチが変わっても一貫した対応が受けやすくなります。
4-3. 水泳教室で困ったときは個人指導も|おすすめスクール紹介
「どうしても水に顔をつけることができない」
「クロールの息継ぎが前方を向いてしまい、なかなか直らない」
(※クロールの正しい息継ぎは横向き)
「背面で浮くのが怖くて、背泳ぎができない」
このようなつまずきが出てきたとき、まずは通っているスイミングスクールと相談しながら、試行錯誤してみることをおすすめします。
先ほどご紹介したように、スイミングスクールによっては発達障害の子どもへの指導ノウハウを持っている場合もあり、配慮や対応の変更で改善されるケースもあります。
それでもうまくいかない場合には、個別レッスンを検討するのも一つの手です。
スポーツ家庭教師ファースト

全国でさまざまな運動の個別指導を受けられるサービスで、水泳もその一つ。
事前に実際の講師による体験レッスンを受けることができます。
また、合計180分以上の受講であれば短期レッスンも可能なので、「水に顔をつけるのが怖い」「特定の動作だけ苦手」といった部分的な課題にも柔軟に対応できます。
(※短期レッスンには体験レッスンがありません)
発達障害の子向けの専門コースも用意されているため、一般のスイミングスクールでは不安があるという方は、こうした個別指導から始めるのも良いかもしれません。
▼発達障害の子向けの個別水泳指導はこちら

いかがでしたか?
発達障害の子にとって、習い事は「得意」を伸ばすきっかけにも、「自信」を育てる大切な場にもなります。
大切なのは、その子の個性に合った教室や関わり方を見つけること。
後編では、ピアノ・プログラミング・塾の習い事についても、リアルな体験をもとに紹介していきますので、ぜひあわせてご覧ください。

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