発達障害の子「ノートが取れない」原因と就学前から楽しくできる対策      

学校

<2024年5月更新>

<この記事にはプロモーションを含みます>

 

小学校に入学すると、発達凸凹のあるお子さんについて

子供がノートを取るのが苦手で…

というお悩みをお聞きすることがあります。

 

よく耳にするのが

「板書をノートに書きとるのが苦手」というもの。

何故なんでしょうか??

 

この記事を読んでいただけると、

  • お子さんが板書をノートに書きとるのが苦手な理由
  • 家や学校での対応
  • 就学前から(就学後も)楽しく取り組んでいただける対策

について知って頂くことができます。

 

「ノートが取れない」原因

 

ノートが取れないと一口に言っても、

  • 黒板の板書をノートに書く
  • 先生の話の要点をメモする

などがあります。

 

小学校のうちに問題になるのは、主に前者の板書の方。

<板書をノートに書くのが苦手な原因>
  1. 「見る力」視空間認知眼球運動)の問題
  2. 「書く作業」の問題
  3. ワーキングメモリーの弱さ(同時処理の問題)

原因としては、このようなことが考えられます。

 

後者の先生の話の要点のメモになると、中学生以降、社会人になっても必要になってくるスキルです。

「要点をまとめる力」も必要になってくるので、また別の力が問題になってきます。

 

今回は、主に前者の「板書を書く」ことが苦手なお子さんについて考えてみたいと思います。

 

原因1 「見る力」の問題

 

視空間認知

 

対象物の色や形や位置などを把握する力です。 

この力が弱いと、文字や図形など見た物の形を把握しにくいと考えられています。

 

眼球運動

 

板書をノートに書く際は、目を動かしたりピントを合わせる力が必要です。

対象物を目で追ったり、離れた対象に跳んでピントを合わせたり、両目の連携をさせる力がこれにあたり、この力が弱い子が発達凸凹さんには結構多いそうです。

この力が弱いと、球技などにも影響が出てきます。

  

<我が家の場合>

息子は、視空間認知やワーキングメモリーはあまり問題がないものの、眼球運動が弱く、板書のノートが苦手でした(最近はかなり改善されています)。

 

WISCなどの検査を受けると、視空間認知やワーキングメモリーの高低は数値からわかります。

眼球運動が弱いことは検査結果からは解らず、療育中、先生に指摘されてはじめて気づきました。

 

原因2 「書く作業」の問題

 

手先を使った細かい作業(微細運動)が苦手なお子さんに見受けられます。

筆圧を調整したり、小さなマス目に文字を書いたり、行を揃えて書くのが苦手な場合があります。

 

 

原因3 ワーキングメモリーの問題 

 

ワーキングメモリーは、情報を一時的に記憶しながら処理する能力です。

複数の情報を同時に処理したり、順序立てて処理したりする能力に関連しています。

 

ワーキングメモリーが弱いと、

黒板の文字を見る → 一時的に記憶する → ノートに書く

という一連の処理を脳内で行うことに困難が生ずるので、

 

一文字ごとに「板書を見る→ノートに書く」を繰り返したり、ノートを取るのに時間がかかる、という場合があります。

 

また聞きながら書く、考えるという同時処理も苦手なので、書いている間は話を聞いていない、聞いている間は手が止まっている、となりがちです。 

 

【WISC-Ⅳ結果の見方】IQ・4指標の差と発達障害の関係
WISCを受けると何がわかるのでしょう?検査を受けたものの見方がわからず、検査結果を生かせていないことが意外とあります。

 

 

「ノートが取れない」への対応策

 

●学校に相談する

 

特に通常学級では、個別の対応に応じてくれるかはケースバイケースになりますが、担任の先生に相談してみるのも一つの方法です。

 

相談の内容としては、以下のようなことが考えられます。

①~④のうち、下に行くほど先生のハードルが下がるので、お願いが通りやすくなると思います。

 

①板書よりワークやプリントを多めにしてもらう

 

②板書を写真でとることを許可してもらう

 

③席を前の方にしてもらう

(視線の往復を減らす。集中しやすくする)

 

④板書がうまく書けていなくても、厳しく指導しないようにお願いする

 

 

<我が家の場合>

小学校3年生くらいまでは、息子もノートを取ることに時間がかかっていました。

息子の場合は、眼球運動の弱さに加えて、ASD特有のこだわりのため「きれいに書けるまで書き直す」ということも原因の一つでした。

先生には私から「努力してもノートが時間内に書けない場合があるので、その場合はあまり厳しく指導しないでください。」と話をしておきました。

先生の方から「板書の写真を撮るという方法もありますよ。」とご提案いただきましたが、「みんなと違うことをするのは嫌だ。」と、息子が嫌がりました。

そのうちに、書く速度が上がってきて、学校の板書を書くのは問題がなくなりましたが、息子のようにサポートを本人が嫌がるというパターンもあります。 

 

●文房具を工夫する

 

  • 書きやすい硬さの鉛筆を選ぶ
  • 消えやすい消しゴム
  • ノートはマス目が大きいものを使う

 

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●幼児期から楽しくできる対策7選

 

小学校に入学する前は、「ノートが取れない」課題に直面することはないですが、

 

  • 微細運動が苦手
  • WISCで知覚推理やワーキングメモリーの数値が低かった
  • 眼球運動が弱いと指摘された

 

お子さんにこのような特徴がある場合は、小学校入学前の幼児のうちにできる対策があります。

 

一見、「ノートを取ること」とは関係ないように思えることが、実は後々効いてくるというのは不思議ですね。

 

お子さんが好きなこと、楽しめることの方が取り組みやすいので、好きそうなもの遊びの中に取り入れてみてください。

 

 

1 ボール遊び、キャッチボール

野球やサッカー、バスケなどの球技が好きなお子さんにはぴったりです。

ボールを目で追いながらキャッチしたり蹴ったりすることで、視空間認知、眼球運動の機能が高まります。

体全体を使った粗大運動は微細運動の前提として大切なので、その点もとても良いです。

 

 

2 トランポリン

トランポリンを跳びながら、風船(やわらかいボールも可)をキャッチしたり、手で打つ、という運動を加えます。

息子が療育でやっていた運動です。

このような運動を通して、視空間認知、眼球運動の機能が高まり、粗大運動もできます。

 

 

3 料理

料理は「最高の脳トレ」と言われるほど、脳にとって良い効果があるそうです。

料理ができるまでの段取りを考えて進めていくこと、色々な作業を同時並行的におこなうことで、ワーキングメモリーが鍛えられるそうです。

簡単にできる範囲から、徐々にできることを増やしていけるといいですね。

 

 

4 タングラム

視空間認知が鍛えられます。

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眼と体をたくさん使って、視空間認知や眼球運動を強くすることできます。

 

 

いかがでしたか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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